【レビュー】AnyMP4「動画変換 究極」を使ってみた

anymp4

こんにちは、異世界攻略班です。
いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は動画、音声変換ソフトの「動画変換 究極」(AnyMP4)を使ってみます。

AnyMP4 Studioとは

まずAnyMP4 StudioAnyMP4)について調べてみます。
日本語版のサイトでは、会社情報を見ても、一体どこの企業なのか良く分かりません。
ドイツ語版のImpressumを見て、ようやく「HONG KONG」と出てきました。ソリューションは、「Multi-media Conversion (video/BD/DVD) Tools, Blu-ray/DVD/video Player software, iOS (iPhone, iPad and iPod) and Android device management software, and PDF Converter Tools」となっています。中国製ソフトなので、日本語表記に気になる箇所も散見されます。

動画変換 究極

ソフトの評価

まず、結論だけ知りたい方のために申し上げますと、「動画変換 究極」は初心者向けのソフトという印象です。初めてでもUIに複雑さは無いので簡単に使用できます。また、無料版でも制限はありますが、ある程度の変換や編集が可能となっています。有料版にするか迷っている場合には、無料版から体験してみることをお勧めします。

無料版インストール

さて、早速無料版をダウンロードします。Macの場合はスライドボタンをクリックして切り替えてください。実行後、プライバシーポリシー使用許諾契約書を確認。問題無ければインストールを押します。数十秒程度で、インストールは完了しました。

無料版ダウンロード
インストール押下
インストール完了

有料版と無料版の違い

ソフト起動後、無料版の機能制限について案内が出ています。

有料版と無料版の違い

有料版では機能に制限はありませんが、無料版だと全ての機能で制限があります
具体的に、以下に示します。

  • 変換時間は、ファイルごとに5分まで
  • 高速変換バッチ変換使用不可
  • MVテーマは一部使用可
  • DVDでリップ可能な時間は、項目ごとに5分
  • DVDをフォルダ、ISOにリップは、それぞれ30日で5ディスク分
  • メディアメタデータエディター、動画圧縮、動画ウォーターマーク除去、GIF作成、3D作成、動画強化(?)、動画カット、動画結合、動画クロップ、ビデオウォーターマーク、色補正、動画スピード管理、動画逆再生、動画回転、音声ブースター、音声同期は、それぞれ5ファイル分

機能面で異なるのは、高速変換とバッチ変換が使用不可という点で、無料版と有料版とで機能に回数制限はありますが、性能面で優劣はありません。つまり、この高速変換とバッチ変換がどの程度使えるものなのか、また、自分のソフトの使用頻度やUIを考慮して、有料版にすべきかどうか決まるでしょう。
この時点で、機能以外に気になった点は、割引の表示です。ソフト起動後の画面では、有料版は「25%OFF」と出ています。しかし、画面遷移して出てくる価格表示は、サイトから「すぐ購入」を押して出てくる「20%OFF」と変わっていません。日本語表記以前に誤解と不信感を抱くので修正されるべきでしょう。

実際に使ってみる

ソフトを起動すると、「変換」「リッピング」「MV」「コラージュ」とタブが分かれています。ツールボックスには、良く使うツールが一まとまりになっている感じです。各タブで起動時にチュートリアル(ステップ1~ステップ3)が表示されているので、親切な印象です。

変換

まず変換を使っていきます。ファイルは左上のメニュー(あるいは中央)をクリックするか、直接ドロップすることで追加できます。この時、選択した出力形式に沿って表示されます。
出力形式は、「ビデオ」「オーディオ」「デバイス」の3つから選び、500以上のフォーマットに変換出来るようです。

多様な出力形式

また、カスタムプロファイルを開くことで、既存の設定をカスタムすることも可能です。

カスタムプロファイル
  • エンコーダ:エンコードするもの。プログラミング等で使われるエンコードは符号化、暗号化という意味ですが、動画・音声の場合には「圧縮・変換」を指します。例えば、H.264とMPEG-4がありますが、H.264の方が圧縮率は高いですが、その分圧縮、再生時にMPEG-4よりも負荷がかかるといった特徴があります。用途に応じて適したエンコーダを選びたいものですが、初心者の場合にはどれを選んだら良いのか躊躇すると思いますので、予め設定されているものを使えば、基本的に問題無いかと思います。対応するフォーマットは、こちらから、公式サイトを参照してください。例えば、MP4動画をMP3に変換したいという場合には、以下を参照すると良いでしょう。
    cf) 【徹底解説】MP4をMP3に変換できるソフト&オンラインサイトまとめ~
  • フレームレート:fps(frames per second)で、一秒あたりの静止画数のこと。レートを上げれば、それだけ動きは滑らかになりますが、データ量も増えます。
  • 解像度:画素数のことで、画面にどの程度dotが配置されているかを指します。アスペクト比に応じて推奨される解像度も決まるので、用途ごとに確認してください。16:9の場合は、1920×1080、1280×720などが推奨されます。
  • ビットレート:bps(bits per second)で、一秒あたりのデータ量のこと。ビデオ、オーディオビットレートがあります。フレームレートや解像度を低くしている場合にビットレートだけを上げても、無駄にデータ量が増えるだけで効果は出ません。サイトごとに適したビットレートを示してくれている場合がほとんどだと思いますので、用途に応じて使い分けてください。高品質と標準ではSmart Matchになるのですが、Autoとの違いが良く分かりませんでした。また、なぜか解像度とビットレートの編集ができるようになってます。例えば、直接1000kbpsと入れれば新規作成も可能ですが、Smart Matchを入力してもエラーが出ます。普通にバグにしか見えません。
  • サンプルレート:一秒間に何回標本化(サンプリング)するかのこと。調べるとナイキスト周波数というものがあり、人間が聞こえる周波数は20kHzあたりまでということ。48000Hzもありますがデータ量が増えるだけで大して変わらないので、44100Hzで十分そうです。
  • チャンネル:音声の信号数のこと。ここでは、1(モノラル)、2(ステレオ)、5.1(サラウンド)、7.1(サラウンド)があります。5.1以上になると適した環境が無ければ意味が無いので、音質にこだわらないのであれば通常2chで十分です。

試しに動画品質エンコーダなどを変更し新規作成すると、新しい設定が追加されていることが分かります。元の設定はそのまま残っているので、誤って変更した場合でも問題無いです。削除も簡単にできます。

新しく追加した形式設定

自分の場合には動画編集してYouTubeに上げたりすることが多いので、ここでは試しに「YouTube」の設定を適用してみます。

条件は「ビデオ」→「YouTube」→「HD 1080P」

この状態で変換しても良いですが、無料版でも更にひと手間加えることが可能です。基本的には変換に特化したソフトなので十分な編集機能を備えているとは言い難いですが、それでも変換と一緒に動画編集も可能と言えます。

編集では、簡単なものですがクロップやエフェクト、字幕なども追加することができます。他の編集ソフトを使用せずとも最低限の機能はあるので、簡単な動画作成なら変換と一緒にできそうです。

① 編集

動画を分割したい場合も簡単にできます。「分割設定」から分割数と時間を選ぶか、セグメントを追加したり、タイムラインで直接カットすることも可能です。編集方法はこちらにも記載されてますので、併せてご参照ください。

② カット

動画強化とは、一体何を強化するんだ?と思っていたのですが、「解像度向上」「明度、コントラスト最適化」「ノイズ除去」「手ぶれ補正」により、動画品質を向上させることが可能です。
しかし、高級解像度は解像度を向上させることだとは思いますが、個別設定から動画品質を「高品質」にして、解像度を上げた場合とどう違うのかよくわかりません。実際に高級解像度に設定した動画とそうでない動画を比較したところ、ファイルの詳細も見てみますが違いがわかりません。機能としては、動画圧縮と動画強化を併用することはできないため、何らかの処理が走っていることは分かります。よくよく確認したところ、以下のように書かれてありました。元々がHD以上の場合には条件が適用されないため、そもそも高級解像度の設定ができないが正しいのではないでしょうか?この辺りの設定は甘い気がします。

高級解像度: SDからHDにビデオ品質を向上させて、HDおよび4Kディスプレイで優れたビデオファイルを再生します。

動画画質を強化する」AnyMP4 動画変換 究極 より
③ 動画強化
「動画圧縮」と「動画強化」機能の同時使用はできない

出力時のメタデータも編集できます。カバー画像も変更可能です。

④ メディアメタデータの編集

圧縮サイズの変更も可能です。先に見たように、動画強化機能との併用はできません。圧縮サイズが大きいほどデータ負荷も増えます。プレビューは解像度を3840×2160にしていたり、設定が合わない?とエラーになります。

⑤ 動画圧縮
プレビューエラー:事前変換に失敗しました

その他、「高速変換」と「ハードウェアアクセラレーション」の設定もありますが、高速変換は無料版では使用できません。パフォーマンスが気になる場合には、ハードウェアアクセラレーションをONにした方が良いでしょう。
その他、バッチ変換無料版では使用できません。複数ファイルを追加して変換した場合、降順で変換されていきます。

高速変換は無料版では使用不可

変換のまとめ

機能としては以上になります。ここまでを、簡単にまとめます。

  • 500以上のフォーマットに変換可能。設定も選びやすい
  • 変換と同時に動画編集も可能
  • 高速変換、バッチ変換は無料版では使用できない
  • 動画強化の設定が分かりにくい
  • 無料版だと変換時間が5分までで用途が分かれそう

リッピング

リッピングは、DVDなどを取り込んでコピーすることです。基本的な操作方法は、変換の場合とほぼ変わりないです。DVDリッピングの場合には、高速変換は使用できません
私の場合には、動画や映画もサブスクで視聴したりするのが主となっているので、最近はDVD自体正直使用してません。しかし、DVDもリッピングしたい状況が稀にあると思いますので、その場合には手軽に使用できると思います。

DVDリッピング

リッピングの違法性

DVDのリッピングは、一概には言えませんが、違法になるケースもあるので注意が必要です。あくまで用途を限定して使用することをお勧めします。

TV録画および市販のDVD・Blu-rayのコンテンツを権利者の意図しない手段で複製する行為は、個人用途や家庭内利用の範囲から外され、違法となります

DVDのコピーガードを解除し、コピーできるソフト」より

MV(MVビデオ作成)

MVでは、ミュージックビデオを簡単に作成することができます。無料版の場合、使用できるテーマは、左上から順に「Happy」「Simple」「Christmas Eve」「Merry Christmas」の4つだけのようです。新しいテーマを使用する場合、一回ごとにダウンロードをはさみます。
簡単なホームビデオを作成するとか、初心者向けという感じがします。テンプレートはある程度完成された状態なので、ファイルを追加するだけで、一応は見れるビデオになります。

MV
無料版だと、使用できるテーマに制限がある

動画と画像を両方追加可能で、動画の編集方法は変換の時にみた方法と同じです。画像の場合には、オーディオと字幕がありません。時計のアイコンがあり「期間」と表示されますが、再生時間をここで設定します。

期間とあるが、ここで再生時間を設定する

予め用意されたテンプレートを使用すれば、細かい設定を変更する必要は無いように思います。
しかし、オープニングというほどでもないですが、開始タイトルを設定したり、BGMも設定してある状態ですが、勿論自由にインポートも可能です。

設定

コラージュ

YouTubeなどでよく見るコラージュ動画も簡単に作成できます。無料版でも特に制限は無いので、素材さえあれば、簡単にコラージュを作れます。

コラージュ

MASHUP動画もこれで簡単に作成できるでしょう。また、スマホ動画だと余白が出来てしまうので、予め用意した画像と動画があれば簡単にPR動画を作れそうです。テンプレートは全部で44パターンあります。ボーダーカラーの設定も変更できます。ただし、編集途中でテンプレートを変更してしまうと、それまでの編集状態がリセットされてしまうようなので注意してください。

太さや色なども変更可能

有料版をアクティベート

メールアドレスと登録コードを入力して、有料版をアクティベートしてみます。

有料版をアクティベート

高速変換が有効になりました。

高速変換が有効に

公式サイトでは以下の通り説明があり、どれだけ変わるのか気になります。

高速変換

試しに、動画を3つほど(1分、9分、16分)並べて変換してみました。体感ではありますが、無料版ではバッチ変換も適用されてなかったのでその分速く感じます。一番長い16分の動画でも数十秒程度で変換が完了しました。確かに速度は実感できます。変換時間も5分以上で可能となってます。

バッチ変換が自動的に適用

MVでは、39の全てのテーマが使用可能になりました。ここにある「もっと多く」をクリックするとテーマが増えるわけではなく、「AnyMP4 動画編集」という別ソフトの購入ページになってました。

全てのテーマが使用可能

総評

というわけで、一通り機能を見てきました。以下、総評になります。あくまで個人的な見解になるので、参考程度に思ってもらえれば。

良かった点

  • 無料版でも有料版と比べて機能自体に優劣は無いので、短時間の動画の変換であれば有用
  • 初心者でも使いやすい
  • 変換と同時に編集も可能
  • 高速変換はとりあえず実感できた
  • 簡単にコラージュも作れる

微妙に感じた点

  • DVDリッピングは違法にならない程度で使用
  • 日本語表記の誤植が気になる。ソフト上は25%OFFって書いてあるのに、実際は20%OFFとか。
  • 5分以上の動画の変換には有料版が必要
  • 他の動画編集ソフトで代用可能な気もする。高速変換、バッチ変換、変換時間などの制限で有料版(1ケ月ライセンスだと通常3,960円。20%OFFでも3,168円)は正直高い

無料版ダウンロードはこちら

まず無料版を試してみるか、っていう場合には、こちらからどうぞ。

AnyMP4 動画変換 究極

異世界攻略班からは以上です。

参照

AnyMP4 動画変換 究極
【徹底解説】MP4をMP3に変換できるソフト&オンラインサイトまとめ~
知っておくと便利!無劣化でMP4動画ファイルを編集する方法
アップロードする動画におすすめのエンコード設定